リレーコラム
支援とは何か?
あおいそらの支援者向け研修会で、よくワークをやります。 受講者が、グループでお題に対して、ディスカッションをするというものですが、その中に、ある不適切な行動に対して、どう支援するかというネタがあります。ある自閉症の人が、食事中に食器を投げてしまうという行動に対し、データをとって整理をした結果、食事量が足りない、要するに「もっと食べたい」という意図が背景にある事が分かり、それでは、それに対してなにをどう支援するか?というお題です。皆さんは、どのように考えますか? もちろん絶対的な正解が一つあるわけではなく、いろいろなことが考えられますが、講師としての意図は、食器を投げるという不適切な手段では無い、適切な方法でおかわりをゲットできるように指導しよう、つまりコミュニケーション指導という発想にたどり着いて欲しいと期待しています。 しかし、このワークの答えとして、少なくない確率で、最初から大盛りにして提供したらどうかという意見がいくつかのグループから出ることがあります。確かに、それも、食器を投げるという行動を減らすという目的では効果はあると思います。でも、しっくり来ません。それは、本人の力を活かす、引き出す、尊重するという視点、将来に役に立つ、本人の自立やハッピーな暮らしに役立つスキルを指導するという視点が無いからなのかと思います。ある意味では、問題となるような行動が起きさえしなければOKとも解釈され、それは支援者のための支援なのかも知れません。 配慮も確かに重要ですが、大盛りか、コミュニケーション指導か、この差は大きいと思います。研修会でのワークですから、僕が、意図した答えに気づいていただけるような説明が出来ていなかっただけなのかも知れませんが。